韓流新報

（newsenより）
　ここ何年か観客が映画を選択する理由で、スター監督の知名度がスター俳優を軽く追い抜いている。カン・ウソク、キム・ジウン、イ・ジュニク、クァク・ギョンテク、リュ・スンワンなど韓国映画界の跳躍期と復興期をあまねく経験した忠武路（チュンムロ）看板級スター監督が帰還した今年の夏韓国映画市場の興行競争が、そのどの時より熱かった理由もそのためだ。沈滞の沼に落ちた韓国映画市場の救援投手に出たスター監督5人衆の興行成績はどうだろうか?

　韓国映画「1000万観客時代」を開いた興行勝負師カン・ウソク監督は「鋼鉄の中：公共の敵1－1」(以下『鋼鉄中』)で夏映画市場の火ぶたを切った。カン・ウソク監督は、チャン・ジン監督が書いたシナリオに総製作費60億ウォンを投入、キャラクター映画の根元が深くない韓国でステディーセラーに位置した『公共の敵』シリーズの鋼鉄中キャラクターを復活させた。シナリオを書いたチャン・ジン監督と演出を引き受けたカン・ウソク監督の個性が、憂慮したほど大きな衝突なしに上手く融和し、無知とカンで押し通すトルキいっぱいであるアンチ ヒーロー鋼鉄中が自分だけの方式で公共の敵を処断する過程で観客に伝える代理満足の快感というシリーズ固有の強力な点が相変らず良く活かされていた。特に劇場から遠ざかった20代主要観客層の足を戻すのに成功して損益分岐点を軽く越える450万観客を動員した。

　総製作費200億ウォンが投入された今年の夏最高の話題作キム・ジウン監督の『良い奴、悪い奴、変な奴』(以下『奴奴奴』)は、封切り32日目の17日損益分岐点の650万を突破したのに続き、21日『美女はつらいの』の記録を抜いて歴代興行順位10位に上がった。韓国映画では類例がないスリートップ映画でソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ウソンがキャスティングされて封切り前から多くの話題を呼び集めた『奴奴奴』は、以後カンヌ映画祭後光という公式が背景になく、事前認知度面で競争作より軽き先んじた。封切り以後「叙事の不在」という論議が起きたが『奴奴奴』の興行で7月劇場街は6月に比べて観客が21.1%増加した。特に独寡占に対する批判はあったが興行パターンに照らして新しい伏兵である10代を動かした点やマニア的ブロックバスター『王の男』とは違った疎通方式で中毒性が強い観覧形態と、おまけを作ったという点で韓国型ブロックバスターの新しい地点を見せた。

　総製作費100億ウォンを投入したイ・ジュニク監督の『あなたは遠くに』は『奴奴奴』の後に続いて一週間隔てて公開された。今年の夏公開された韓国映画の中で女優がチームトップで乗り出した唯一の女性映画という点で差別点を持った『あなたは遠くに』は、ベトナム戦という現代史をアジア人の見解で再びスポットライトを当てた点と共にイ・ジュニク監督の映画世界を集大成した作品という好評を受けた。だが『あなたは遠くに』を通じてHistoryでないHer Storyを見せようと思ったイ・ジュニク監督の努力は認めながらも、相変らずソニを対象化したことや母性ファンタジーに執着する男性的視線を完全に濾過することができなかったという指摘が出て賛否論議も起きた。特に中年層観客の郷愁を刺激して疎通するには成功したが、若年層観客との疎通では期待ほどの成果を上げることができず、損益分岐点の330万人を大きく下回る170万観客しか動員できなかった。

　やはり『あなたは遠くに』と一週間隔てて封切られたクァク・ギョンテク監督の新作『目には目、歯には歯』(以下『目目歯歯』)は、一定のチケットパワーと信頼度を構築したクァク・ギョンテク監督と俳優ハン・ソッキュ、チャ・スンウォンの出会いという点、韓国を背景にした『ヒット』、『オーシャンズ イレブン』、『スティング』など馴染みのハリウッド的表式を読みだすことができる徹底した娯楽映画という点で強力な点を持った作品だった。無駄のないあらすじとスピーディーな画面構成が軽快でトレンディ感を伝えて若いクァクの好みにも一定部分符合する結果を作った。特に先行した３映画と別に北京オリンピック特需を考慮して開封日を操り上げたハリウッド アクション アドベンチャー『ミイラ３：皇帝の墓』のおかげで唯一ハリウッド ブロックバスターと正面勝負をすることになりながら予想より興行速度がのろくなったが、今週末200万高地を越えて損益分岐点の250万観客は無難に突破する展望だ。

　14日封切られた映画『タチマワLee - 悪人よ地獄行急行列車に乗れ』を通じて最も最後に合流したリュ・スンワン監督は、全世界を平定したハリウッド ブロックバスター『ダーク ナイト』、予想外興行伏兵になった『高死』等に押されて期待よりは振るわない興行成績を見せている。去る2000年インターネットで爆発的人気を呼んだリュ・スンワン監督の同名35分短編を劇場用に新しくした『タチマワLee』は、東アジア ジャンル映画の総集合でジャンルのインデックスというリュ・スンワン監督の話のように60～70年代満州活劇と韓国型スパイ映画、90年代香港武術映画などの特徴を引き継いで厚かましくて果敢なパロディと遊戯精神を発揮した映画だ。だからこの映画は初めから個人の好みの差によって徹底して好き嫌いが分かれる可能性がある映画という評価が多かった。現在封切り1週目の観客は30万人前後、製作費30億ウォンが投入された『タチマワLee』の損益分岐点の150万人に達し得ない可能性が大きいものと見られる。リュ・スンワン監督の個人ブランド パワーに肩を並べる程大当たりを放った映画がなかったことは事実だが、大きく滅びた映画もなかったことに戦績に照らしてみれば『タチマワLee』が観客と疎通した数値は監督本人には物足りなさになりうるようだ。

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