韓流新報

（xportsnewsより）
（つづき）BoAの成功以後、国内の実力派女性ソロ歌手の日本進出ラッシュが続いた。イ・スヨンに続き、パク・ジョンヒョン、ファヨビ、WAXが並んで日本に進出する。また、ドラマ韓流熱風に乗ってイ・ジョンヒョンも日本にびっくりデビューした。

◆パク・ジョンヒョン、「歌実力は認められたが…」（2004年11月デビュー、オリコン順位39位、販売量5631枚）

　パク・ジョンヒョンは韓国系米国生まれの歌手で、現地マスコミでは彼女と同じように米国生まれの現地人気歌手に対し遠回しに言って彼女を「韓国の宇多田ヒカル」と紹介した。

　パク・ジョンヒョンは知名度ある日本ボーカルグループ「ケミストリー」、歌手ソウェル、そしてブラウンアイズとともに2002韓日ワールドカップ公式テーマソングを歌ったし、この曲が含まれたシングルは日本で16万6000枚の販売量を記録して人気を呼んだ。パク・ジョンヒョンは以後、日本で開かれる各種イベントに参加して日本進出を準備した。この頃絶頂を成し遂げていた現地の「冬のソナタ」熱風に力づけられて、各種韓流イベントが開かれて、歌手が日本舞台に立つ機会も多いほうだった。

　パク・ジョンヒョンのデビューに日本のマスコミも比較的高い関心を見せ、デビュー時TV広告も出すなど着実な進出計画も進行された。パク・ジョンヒョンは、アルバム発売時ショーケースも着実に進めたし、1100席ほどのコンサートホールで単独コンサートも行った。

　彼女は最後の日本活動曲として『You Raise Me UP』を改詞した日本アニメ主題歌を歌って人気を呼んだ。パク・ジョンヒョンの歌にハーフ？の西洋少女がYoutubeにカバー映像を上げたほどだ。

　また、パク・ジョンヒョンが2005年韓日友情の年記念公演を一緒に行った日本のフォーク デュオ「コブクロ」のメンバー黒田シュンスケがパク・ジョンヒョンの歌実力に感心して「『世の中は広いね、そして日本は狭いね』と感じた」と告白したエピソードは有名だ。

　パク・ジョンヒョンは、2年7ヵ月の日本活動の間、少なくないマニア層を作った。まだ彼女を追憶しているファンがたまに見えるほどだ。もう少し大衆に広く知られることができる曲を歌う機会があったとすればという惜しい感がする。

◆「テクノ女王」イ・ジョンヒョン、華麗一日デビュー（2004年12月デビュー、オリコン順位26位・販売量2万9405枚）

　パク・ジョンヒョン、ファヨビと同時期に日本に進出したイ・ジョンヒョンは相対的に他の歩みを歩く。

　イ・ジョンヒョンは日本で11.5%の高い視聴率を記録したドラマ『美しき日々』で俳優兼OST（ヘブン）参加歌手を引き受けたことが縁となって日本進出ができた。ドラマ人気に力づけられて、イ・ジョンヒョンはその年最高の活躍を見せた歌手だけが出演することができるというNHK「紅白歌合戦」にBoA、イ・ビョンヒョン、RYUと３人で出演することになる。イ・ジョンヒョンは千載一遇とも言える機会を逃さず、韓服に扇子、そして子指マイクまで加えた独特の姿で強烈なパフォーマンスを見せて日本大衆に自身を刻印させた。ある現地媒体はイ・ジョンヒョンを「テクノの女王」と評すこともあった。

　イ・ジョンヒョンは『ワ』と『ヘブン』が収録されたデビューシングル2万9000枚以上、『ワ』をタイトルにしたアルバム1万5000枚以上を売って成功裏に日本歌謡界にデビューした。

　しかし、デビュー初期のインパクトが長く続くことはなかった。後続シングルを控えて1万7000席規模のコンサートホールで単独ライブ舞台を持つなど積極的なプロモーションを広げたが、シングルは1600枚余りしか売れなかった。

　以後イ・ジョンヒョンは、女戦士コンセプトを捨てて溌刺としながらもセクシーなイメージに変貌して3rdシングルを発売するが、オリコン週間順位217位（販売量2874枚）という低調な成績を収めて、以後中国活動に視線を転じることになる。

◆WAX「引き続く実力派ソロ女性歌手の失敗」（2006年4月デビュー、49位・販売量5601枚）

　パク・ジョンヒョン、ファヨビに続き2006年も一人の実力派女性ソロ歌手WAXが日本に進出した。

　WAXは、自身のヒット曲『化粧を直して』に松本隆の歌詞を付けた『赤い糸』で日本にデビューした。ドラマOST参加など韓流に寄り添うより、自らの実力で日本で活動することを選んだWAXは、10ヵ月間日本語勉強をして、日本に居住地を移すなど本格的な準備の末、日本にデビューした。

　WAXは、シングルとアルバムをそれぞれ1枚ずつ出したが5601枚、2236枚の低調な販売記録を見せた。理由は、歌水準は高いが現地にも多くの（ライバルがいる）バラード ジャンルで差別化が足りなかったことと、そして多少不自然な日本語発音と感情表現が原因に選ばれる。WAXの『赤い糸』は単純な『化粧を直して』の日本版になってしまった。正攻法の中でも差別化戦略をとっていればどうだったろうかと思うと、物足りなさが残る。

　その他に、コミも2011年11月日本に進出、デビューアルバムで59位（販売量2124枚）の成績を収めた。

整理すると…

　ヤン・スギョンからWAXまで女性ソロ歌手の日本進出過程を整理することによって、日本歌謡市場と韓国歌手との相関関係をある程度把握できるだろうと見る。

　特に一定水準以上成功をした歌手はいくつかの共通点を有している。

　まずデビュー時点で一定水準以上の成果を出した。BoAの場合、オリコン週間チャート20位（初週販売量1万4740枚）を記録したが、この辺りが分岐点と言える。日本歌謡市場自体が低迷した現時点では、週間順位10位以内に初週販売量1万枚以上が最小限の成績と考えられる。

　初期進入のためにはデビュー曲選定も重要だ。日本市場で通じることができる曲を選ばなければならないことであり、新人という姿勢で積極的ながらも持続的なプロモーションを繰り広げなければならないだろう。特に現地レコード企画会社の協力が重要だが、地上波TVおよびコンサート出演、CF露出などの果敢なマーケティングが多いに役に立つことを知ることが出来る。また、実力派歌手がいつも苦杯をなめたという点で、実力よりも現地歌手にない差別性を見せてこそ生き残ることができる。

　（韓国で実力をつけた）有名な歌手であっても、結果が交錯することが興味深いながらも、日本歌謡市場がサビサビ分しないという気がする。それだけ多くの準備と努力が必要で、粘り強い活動の中に与えられる若干の「運」を逃さないことこそ成功する秘訣だ。

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